京都鉄道博物館は2016年4月29日に、既存の梅小路蒸気機関車館を拡張・リニューアルし開館した鉄道博物館です。梅小路蒸気機関車館の展示に加え、大阪、弁天町にあった交通科学博物館の一部展示や新規に収蔵する車両もここで展示れています。
京都駅から京都鉄道博物館へのアクセスは、これまでは徒歩で15分と若干不便でした。現在は、梅小路地区へのアクセスを改善するために、新駅「梅小路京都西駅」が2019年3月に開業しました。JR山陰本線(嵯峨野線)で京都駅から1駅、所要時間は2分で、梅小路京都西駅下車した後、徒歩2分で京都鉄道博物館に着きます。
チケット購入して博物館に、入場すると「プロムナード」というエリアに入ります。
ここには、大阪の交通科学博物館で展示されていた車両を中心に、多くの車両が展示されています。
緑とオレンジのツートンカラー、「湘南色」が特徴的な国鉄80系電車。80系は、国鉄初の長距離用電車です。当時、長距離の列車は機関車牽引の客車列車が基本とされる中で、画期的でした。電磁弁付き自動ブレーキやコロ軸受台車などの当時の新技術の導入や、全席クロスシート、電気暖房など居住性の面でも客車に対して遜色ないものにする事で、電車が長距離でも運用できる事を証明しました。ちなみに、展示されている車両は、元々交通科学博物館に保存されていたモハ80001・クハ86001の2両で、両車とも一番、最初に製造された車両です。また、最初期の80系の先頭車は、大きな2枚窓を持つ半流線形の湘南顔ではなく。3枚の四角窓が連なるシンプルな前面デザインをしていました。
C62型蒸気機関車。戦後、国鉄がD52のボイラーなどを流用して製造した旅客用蒸気機関車の26号機。C62は国鉄が最後に製造した蒸気機関車でした。京都鉄道博物館には、静態保存されてる26号機、1号機に加えて、動態保存の2号機の計3機が保存されている。
国鉄103系電車。これまでの吊り掛け駆動方式の電車に変わって、カルダン駆動方式を採用した新性能電車101系を改良する事で誕生した国鉄の通勤型電車。21年間に3,447両もの両数が製造され、現在でもJR西日本とJR九州で活躍しており、2019年現在で、63両が残存している。展示されているクハ103-1は、元々、山手線、京浜東北線、大阪環状線と活躍した後に、2011年まで、阪和線で活躍した車両で、引退後、塗装を大阪環状線時のオレンジバーミリオンに再塗装され、京都鉄道博物館に収蔵されました。
0系新幹線電車は、4両が展示され、全車が1964年の開業前に製造された初期の車両で、トップナンバー車です。車両前では記念撮影のサービスも行われていました。
この他にも、本館までプロムナードのには、DD54ディーゼル機関車や、旧型客車、20系寝台車の食堂車「ナシ20-24」をそのまま利用したレストランなど車両が多くの車両が展示されています。
本館に入ると、博物館の顔とも言うべき3両の車両が出迎えてくれます。
500系新幹線電車。日本で初めて最高速度300Km/hの営業運転を行った新幹線車両です。アルミハニカム構造の車体やキャノピー型の運転台、先の尖った15mのロングノーズや航空機のような断面積の小さい円筒形状のボディなど、他の新幹線にはない外見をしています。現在は、8両に減車され、山陽新幹線で各駅停車のこだま号の運用で活躍しています。これとは別にパンタグラフの展示コーナーにも500系独特の翼型のパンタグラフが展示されており、ボタンを押すことで、展開収納の様子を見る事ができます。このパンタグラフは現在の運用されている500系には搭載されていません。そのため現在、500系の最高速度285㎞/hに制限されています。京都鉄道博物館の500系には、山陽新幹線で期間限定で、ヱヴァンゲリヲンやハローキティとのコラボラッピングが展示車両にも施されるという規格がありました。
クハネ581型。583系寝台特急電車の先頭車です。世界初の寝台座席兼用車両で、昼間は昼行特急に、夜は座席を寝台に変形させて、寝台特急として運用する事が可能でした。寝台特急「月光」に充当された事から、「月光型」とも呼ばれました。車体の高い位置に運転台がありますが、これは連結した際に、他の車両と行き来する事ができるよう貫通扉となっており、このデザインは、後の485系の一部や、現在のJRの特急電車の多くにも引き継がれています。この583系はJRにも引き継がれ、最近では大阪ー新潟間の急行きたぐにや、臨時列車などで活躍していました。
489系特急電車の先頭車、クハ489は、485系をベースに、通常の列車が通過できない66.7‰の勾配のある信越本線の横川ー軽井沢間にある碓氷峠の補助機関車、EF63と強調運転をするために製造されました。協調運転によって、推進運転時よりも増車が可能になり輸送力が向上しました。展示されているクハ489は前期に製造されたボンネット型の先頭形状を持つ車両で、2010年、上野ー金沢間の急行能登の臨時化まで活躍していました。
2回目に訪問した際には、期間限定で白山塗装で展示されていました。JR化後、北陸新幹線の長野開業まで見られた塗装で、上野ー金沢間の昼行特急白山で運用された際の塗装です。その後、1997年の信越本線横川―軽井沢間廃止に伴い、特急白山も廃止され、この塗装は元の国鉄特急色に直されました。489系は白山や能登以外にも、北越、加越、はくたかなどにも充当されました。
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