京都鉄道博物館訪問記①の続きです。
私は京都鉄道博物館には、これまで2回(梅小路蒸気機関車館時代を含めると計3回)訪れています。1回目は、専門学校の卒業旅行という事で、同級生2人と共に訪れました。伊勢神宮訪れ、大阪に宿泊し、京都、名古屋を観光し、翌日に冬コミに参加するという破天荒な行程でした。2回目に訪れた際も、京セラドームで行われたアイドルマスターシンデレラガールズ7th大阪公演「Glowing Rock!」2日目の合間を縫って、この京都鉄道博物館を訪れていました。翌日は、在来線を乗り継ぎ、名古屋のリニア鉄道館を訪れ、セントレアから飛行機で帰りにつくというこれまた弾丸行程でした。
リニア鉄道館やデレマス7th大阪公演の思い出は後々語るとして、話を京都鉄道博物館の展示内容に戻します。
トワイライトプラザにあるEF58型電気機関車とEF81型電気機関車は、数多くの寝台特急をけん引してきました。画像の緑色の機関車、EF81-103は大阪ー札幌間の豪華寝台特急トワイライトエクスプレスの牽引機として活躍しました。後ろに連結されている客車はスシ24食堂車とスロネフ25寝台客車で、トワイライトエクスプレス専用の客車でした。スシ24は485系特急電車に連結されたサシ481などを24系客車に改造・編入した車両で、車体の断面が他の24系客車とは異なった形になっていて、屋根も低く、分散型クーラーとなっているのが特徴です。
スロネフ25-501は、トワイライトエクスプレスの中でも最も人気かつ豪華だった展望「スイート」と、一人用A寝台個室ロイヤルで構成された車両です。私は現役時代に乗車した際、展望スイートに乗車されてる他の乗客の方に招かれ、車内を見せていただいた事があります。
1回目に訪れた際には、EF81にトワイライトエクスプレスのヘッドマークが取付られていました。EF81は、交流、直流の両方の電源に対応した汎用性の高い機関車で、交流・直流の電源方式が混在する日本海縦貫線(北陸本線や羽越本線など)、東北本線、常磐線、関門海峡などで機関車を交換することなく運用する事が可能な機関車です。現在も、JR貨物やJR東日本では、現役で、JR東日本の車は工事用列車や臨時列車をけん引する事があります。トワイライトエクスプレスをけん引するEF81は連結器が、密着式自動連結器に交換されている事が特徴で、これにより発車や停車時の衝撃を緩和しています。
それにしても、トワイライトエクスプレスのカラーリングは、中国など共産圏の客車の塗装によく似ていますね・・・
EF65 1は、国鉄が製造した直流区間における電気機関車の標準的な車両として製造されました。京都鉄道博物館にて保存されているのは、その1号機です。現在も、EF65型はJR貨物を中心にJR西日本、JR東日本にも、在籍していますが、旅客会社の定期運用はなく、貨物も後継の導入により淘汰されています。
EF66型は、国鉄が1000 tの貨物列車を100 km/hで運転することを目的に開発された高性能機関車で、高速貨物列車や、寝台特急に度々充当されました。特急型電車にも似た凝った前面デザインをもつ特徴的な機関車で、寝台特急のアイコン的な機関車でもありました。TOMIXのNゲージのケースには、今もEF66が描かれていますね。円盤状のヘッドマークより、この「富士」のヘッドマークがよく似合っています。
寝台特急出雲のヘッドマークを掲げて、展示されているディーゼル機関車DD51-756。DD51は幹線の無煙化(脱蒸気機関車)に向けて導入が進められた、幹線向けの液体式ディーゼル機関車です。貨物列車は元より、多くの客車列車の先頭にもたちました。北海道では北斗星やトワイライトエクスプレスなどの牽引も担当しました。
このEF66とDD51は、下から足回りを観察する事ができます。足回りの構造を見てると、オイル漏れをしている箇所があったり、この車両が本物であることを実感させられます。
本館の奥には、本線と繋がっている線路があります。普段は、トワイライトエクスプレスのサロンカーオハ25と電源車カニ24が展示されていますが、この場所は、法令上も営業線と同じ扱いであり、現役の車両を入線、展示する事が可能になっています。地元、JR西日本所属の車両だけでなく、線路が繋がっていれば、日本各地から車両を持ち込んで展示する事も可能で、JR貨物が北海道新幹線と重複する青函トンネル区間専用で使っているEH800型電気機関車を展示する事もありました。
2回目に訪れた際は、なんと・・・
JR四国のイベント列車「志国高知 幕末維新号」が展示されていました。JR四国の車両ですが、JR貨物に貨物列車として輸送されて「脱藩」した上で、京都鉄道博物館に期間限定で展示されました。キハ185系とトロッコ車両になってるキクハ32で運転されていた「志国高知 幕末維新号」は現在では運転を終了しており、ラストランの後、京都で展示されました。
車内も見学ができ、キクハ32の車内は、トロッコ列車らしく、木材を使用した座席になっていました。
さて、本館の2階に向かうと、自動改札の仕組みや交通の移り変わりの歴史を展示するコーナーがありました。その中でも、新幹線のライバルの一例として、バスや飛行機の模型やパンフが展示されていました。その中でも、不可解なものが・・・
日本航空のボーイング727-100のようですが、レジ番をよく見ると、「JA8315」・・この機体は、日本初のハイジャック事件「よど号ハイジャック事件」の「よど号」なのです。しかしながら、(見落としてなければ)展示内容によど号事件に関する記載がないのが、さらに謎を深めます・・・
2階にはレストランもあるのですが、その・・お値段が・・・高い・・・
それはさておき、3回には、展望スペースがあります。行きかう新幹線や在来線を眺める事ができる上に、列車の在線状況が表示されるモニターまでついています。
ちょうど、東寺の五重塔が見え、このように新幹線を背景に東寺の五重塔を収める写真を撮ることができます。
さて、梅小路蒸気機関車館の時から存在している、扇形機関庫の方へ向かいます。その途中ガラス張り建屋の中で、分解整備をうけるSLの様子を眺める事ができます。京都鉄道博物館に保存されている蒸気機関車は、動態保存されている車も多く、西日本地区での動態保存蒸気機関車の拠点にもなっています。京都鉄道博物館は、JR西日本の梅小路運転区としての役割もあり、SLやまぐち号で活躍する機関車も、梅小路運転区所属となっています。JR西日本管外への貸し出しも行われ、JR東日本に貸し出された実績や、最近では名古屋市の社会実験としてあおなみ線を走行する機会もありました。このガラス張りの検修庫では、重要部検査などが行われています。
SLの動輪や従輪、弁装置など部品が置かれていたり、炭水車のみが留置されていたり、ここが単なる博物館ではなく、生きた現役の蒸気機関車の車両基地である事がわかります。
扇形機関庫の方でも、SLの検査・修繕が行われています。
扇形機関庫も、京都市の有形文化財に登録されています。また、保存されている機関車や工具までもが純鉄道記念物に指定されています。
SLが動態で保存されているという事は、走るのを見るだけでなく、乗る事もできます。SLスチーム号は500mほどの短い距離ですが、SLが引く列車の乗車体験ができます。牽引する機関車は日によって異なることもあります。京都鉄道博物館になってから、初めて訪れた際には、C61 2が牽引していましたが、
2回目に訪れた際は、C56 160が牽引していました。SLスチーム号に乗車するには入館料とは別に、300円(高校生以上)・100円(小中学生と3歳以上の子供)が必要になります。
静態保存されている、一部の蒸気機関車の運転室内は入ることもできます。
まず、見る事のない「火室」の中です。ここに石炭を入れるのですが、何もないまっさらな常態はとても新鮮です。
機関庫の脇に、いつもいる赤い客車「50系」が休憩室として活用されていますが、この客車は、盛岡の人にとっては馴染みのある方もいらっしゃると思います。1996年まで、この客車と同じ50系客車が東北本線の盛岡以北の普通列車として活躍していました。
車内も、家庭用のエアコンが付けられている以外は、当時のままです。これが、あの701系に一気に置き換わったのは、にわかには信じがたいです。ですが、私は97年2月生まれ・・・残念ながら客車の普通列車を見たり乗ったりした体験はありません。
京都鉄道博物館の出口は、移築復元された旧二条駅舎にあり、そこには世界の蒸気機関車の模型などの展示もあります。そして、ミュージアムショップもそこにあります。Nゲージやプラレールやグッズやお土産品などが販売されています。
画像は、梅小路蒸気機関車館時代の二条駅舎ですが、現在はここが、京都鉄道博物館の出口になってます。梅小路蒸気機関車館の時は、入り口も兼ねていました。
蒸気機関車については、次の梅小路蒸気機関車館の話と一緒にしたいので、今回はここまでで失礼します。本館の方も、触れてない展示もいっぱいありますので、昨今厳しい情勢下ではありますが、ぜひ京都鉄道博物館を訪れていただき、貴重な車たちに出会っていただきたいと思います。
梅小路蒸気機関車館の話に続きます。
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